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環境先進国ドイツ |
【ゴミとダイオキシン】 4R1L(refuse reduce long-use reuse recycle)の徹底化 子供の頃から、教育する 1 Refuse(断る・やめる) ばら売り・包装なしが基本→包装ゴミがなくなる 必要でないものは買わない 2 Reduce(減らす) Refuseできないものは、できる限り減らす 3 Long use(長期使用) 古いものを徹底して利用 4 Reuse(再利用) できる限り再利用する 新しいものは基本的に買わない <例>飲みもの等は缶よりもガラスビン 5 Recycle(再資源化) ゴミにせず、できる限り再資源化 ゴミの分別の徹底とDSDシステムなど ゴミの大幅削減 生ゴミの堆肥化 焼却所の少数化と大型化 ダイオキシン汚染度は問題にならないほどに減少 1995年より連邦政府は母乳を推奨 |
【環境ホルモン】 ドイツでもこの問題は最近になって注目され出している。 <対策> オモチャやタンス・ベッドの木製化(化学塗料を使わない) 着色塗料や接着剤などを自然素材に切り替える プラスティック製品を買い控える 環境にやさしい洗濯や掃除の仕方を地方公共団体が奨励 |
【電磁波】 都市部に高圧電線は皆無。都市郊外で地下に埋められる。 携帯電話は普及し始めているが、使用する人は非常に少ない。 家庭での電化製品はあまり多くない。 テレビ等は一家に一台が基本。 |
【食品と食糧対策】 ○オーガニック食品店の数が豊富 ○ 無添加・無農薬・無化学肥料・無化学飼料・非遺伝子組換えであるのものを 消費者が多く求めるためにそれに対応した情報が多く出まわっている ○地方公共団体で生ゴミを堆肥化することを勧める ○ クラインガルテン(家庭菜園)政策の推進→食物自給率の向上 |
【オゾン問題】 オゾンは、人間にとって非常に有毒な物質→都市部のオゾン増加対策 しかし、上空のオゾンの層は有害紫外線を防御→オゾン層破壊対策 ○「オゾン層」破壊対策 CFC(特定フロン)やHFC(代替フロン)の法的規制 フロンを放出した場合→罰金50,000マルク(約3,000,000円) 冷蔵庫はグリーンフリーズ冷蔵庫(フロンを使わない商品)が当たり前 街路樹や森林を多くし、木陰を作り直射日光(有害紫外線)を防ぐ ○「都市部のオゾン」増加対策 光化学スモッグにより、人間生活域にオゾンが増加した場合、 自動車交通規制や外出を控えるように促す都市が多い。 地表部でオゾン増加しても、上空のオゾンは増加しない。 |
【地球温暖化】 省エネルギー化の促進→電気の使用量を減らし、CO2を削減 交通規制→自動車のCO2削減 緑化運動→ヒートアイランド現象の緩和 ○省エネルギー 断熱材の推進 太陽電池・風力発電の推進 低エネルギー商品の表示←EU(欧州連合)全体で7段階評価 ○交通規制 公共交通機関や自転車の利用促進 自動車道路に規制を多くする 都市中心部は自動車乗り入れを原則的禁止するところが多い ○緑化運動 シュバルツバルト(黒い森)を始めとする森林の保護 都市部にも緑(樹木・雑草)が多い ○河川の近自然化 |
【街づくり】 ○ 住居とオフィス(事務所)・店との共存→ゴーストタウン化を防ぐため ○ 街路樹の促進→木陰の増設・徒歩と自転車に都合の良い街づくりを推進 ○ 森林公園の増設→ヒートアイランド現象の緩和(地球温暖化防止) 生物種の絶滅回避・森林保護・憩いの場の増設 ○ 自動車を規制し、公共交通機関の整備 Uバーン(地下鉄)・Sバーン(市電)・バスの整備 パークアンドライド(公共交通機関へ乗り換えるための駐車場) 相乗りシステム 自転車を公共交通機関に乗せることが可能 ○ 自国や地元の重要な歴史的建造物を徹底的に保護 |
【旧西ドイツの歩み】 戦後、経済発展を強力に推進→経済大国に 70年代 公害問題が噴出 80年代 環境問題がクローズアップ。東西ドイツの統一。 90年代、環境問題を当然とするようになる。環境に悪い商品は売れなくなる。 ↓ 現在はEU(欧州連合)統合のため財政緊縮による失業者が続出 環境運動の経済化・過激な環境運動に対する嫌気・更に当たり前に成りすぎ ⇒環境に関する意識は停滞気味 ・ 不況 ⇒利益集団のプレッシャー(ロビー活動など) ⇒補助金の増大 ⇒構造転換の遅れ |
ドイツには学ぶことが多くある。日本よりも環境面では良い国ではある。しかし決して最善ではない。人種差別も階級差別も依然と現存する。また環境対策も、完成されたとは言い難い面もある。部分的に見れば、日本の方が優れている面も少なくない。ドイツは見習う国ではあるが、決して目標とする国ではない。ただ、このドイツを参考書にして、より優れたものを生み出す能力を日本は持っていると信じたい。世界に先駆けて、地球全体にとってよりバランスのとれた社会づくりをできるのではないか。 「自分さえ、自分の家族さえよければよい」という、小さな発想から、「自分も全体の一部である」という大きな視点に移れば、環境問題は本来生じない問題のような気がする。環境のみに目を向けるエコロジーから、環境も各個人の心の中の問題もマクロコスモ(大宇宙)もミクロコス(自分自身:小宇宙)も全てを包んだコスモロジーへの発想の転換が迫られていると思う。 全体という視点と個としての視点(自立)。この両者を常に持つ、すなわち二つの中心を持つ東洋哲学(陰陽等)が、これからの時代の中で見直されるべきものではないかと私は感じている。今こそ私たちの先祖方が見出してきた東洋の知恵を生かす時代なのではないだろうか? |